妙高山スキー報告書

報告者:藤本

日程:2006/1/2-1/5

●アプローチ

3人は西沢カーで長野駅へ。駅前のお土産店で補給をした後、バスで八方アルピコバスターミナルへ。1330発、1435着。遅延なし。歩いて八方ゴンドラ乗り場へ。リフト券のICチップ化に関・小太郎がうろたえていて笑えた。リフトに乗り継ぎ、ゲレンデを軽くすべり赤い小屋へ。転びすぎて、ボキボキの赤旗を携える小太郎は、さながら落ち武者のようであった。アクシデントがあり、入荘に手間取る。鍵穴が凍っていたため、沸かしたお湯をぶっかけてこじあける。それにしてもこの日は天気がいいぞ。

 

     12

400起床。545発で雪訓。アイゼンでしこしこゲレンデを登り、八方池山荘まで行く。雪がほどほどにしまり、敢えてゲレンデの脇の未圧雪地帯を登って練習したりするが、サクサク進む。帰りは滑落停止のできそうな斜面を探しながら、降りる。前向き、横向き、仰向け、うつぶせ、など様々なシュチエーション下で滑落して止まってみる。雪が少し深かったため、ピッケルではなくひざで止まってしまうのには閉口した。リフトが動きだし、わらわら一般スキー客が増えてきた中、一通り終え、下り始める。ガスったり、晴れ間が見えたり、基本的に天気は下り坂。小屋についてからワカン歩行の練習をする。

昼ご飯を食し、午後は自由。藤本は半日券を入手しバリバリ滑る。関・小太郎は小屋にあるスノーシューで遊ぶのだとはしゃいでいたが、帰ったら関は寝ていて、小太郎も引きこもっていた。明日はアタック。ミーティング・準備をして寝る。小太郎作成の天気図によると、明日は三陸沖に低気圧が合体。典型的な西高東低。明日はゲレンデの続く八方池山荘まで行き様子を見ることにする。

 

     13

330起床。445出発。ワカンかスキーが迷ったが、スキーにして正解だった。ゲレンデは見事に圧雪されていて、わずか1時間10分で八方池山荘へ。中高OB7,8年間続けてきているが、こんなに早くついたのは初めて。中で休ませてもらい、様子を見る。やはりこれより上は風雪が強い。話し合いの後、明るくなってから出発で、2ケルンを目的地にし、50mおきor見えなくなったら赤旗を打ち、赤旗切れor危険を感じたら引き返しということで、700に出発した。八方池山荘より上は登山道で、圧雪もトレースも入っていない。ここからはワカン。トップがラッセル・セカンドがコンパスで方角を指示。ベアリング表を駆使していく。風は強く常時風速1520kmくらいか。突風で30kmは吹く。ラッセルはももから腰にかけて。視界は2050m。気温は−12℃。よって体感温度は−30℃近くか。手は優秀な手袋のおかげで、寒くないが、ゴーグルが不良の小太郎・藤本は視界不良。定期的にぬぐわないとまつげが凍り見えなくなる。風と目出帽で声がよく聞こえないので、大声でコミュニケーションをとりながら進む。夏道登山道分岐を越え、顕著な稜線にでるとさらに風が強くなる。ときどき歩行が不可能な突風が吹く。そこから少し行ったところで、引き返しの判断。ここまでに使った赤旗は9or10本。赤旗+バックベアリングを頼りに、セカンドの指示で下っていく。2本倒れている赤旗があった。主稜線からはずれると若干風もやわらぎ、ほどなく後続パーティーとすれ違い、八方池山荘に戻る。八方池山荘着が850前後なので、引き返しは800過ぎあたりか。山荘で休んでいると、程なく後続パーティも引き返してくる。赤旗の与えてくれる安心感は絶大なものであった。レーションを食い漁り、950八方池山荘を後にする。帰りはいつの間にか積もった湿雪でゲレンデはひどいことになっており、大苦戦して、赤い小屋に滑りおりてきた。赤い小屋着1040。留守本竹中にラブコールを送り、プランを終える。午後は3人でスキー三昧。夜は焼肉パーティー。

 

     その後

14日は3人で下山し、お世話になってるホテルの温泉で垢を落とす。関はそのままバスで帰京。小太郎・藤本はつまみ・灯油を買いまた登る。八方尾根マックでハンバーガーを食らい、藤本は事前講習会、小太郎は滑りに。夜は掃除の後、宴。15日は軽く掃除をし、退荘。小太郎は青春18で帰途に、藤本はSAJ2級バッジテストを受け、桜散り、帰る。

 

     総評

     一通り雪訓ができ○

     唐松アタックは、天気がよければ決行ということだったが、つい欲が出た。本来なら中止でもよかった。引き返しももっと早くてもよかったかもしれないが、あくまで結果論であって、最適なタイミングだったかもしれない。判断はこれでよしとしたい。

     藤本は2ケルンの先のヤスムケルンまで行けると出発前に判断したが、実際の風雪は藤本の予想を超えるもので、全くもって甘い判断であった。自分の根底に流れている楽観的な視点に気づき猛省。危機意識を養い、危険に敏感になりたい。

     こちらでも、ずぼらな食担の怠慢を、武蔵山岳部現役が日程短縮で残してくれた食料のバックアップが補う結果となり、飽食プランに。

     振り返ると、京大ヒュッテ・べべヒュッテ・赤い小屋と各小屋の食料を食い漁るという小屋に依存したプランであった。

     スキーはやはり楽しい。